映画は滅多に観ないのだけど、
今回は家族のすすめで「PERFECT DAYS」を観てきた。
映画チケットもかなり値上がったよね...
2000円....ちょっと無理なので、
「シネマデー」など割引してもらえる日を狙っていく...。
ネットで席を予約して、
発行されたQRコードをスマホに表示して入り口でピッとして入る。
完全ペーパーレス。
スタッフと一言も言葉を交わすことなく映画を観て帰ってくる時代。
人に迷惑かけたくないならば
なんとか文明についていかないといけないな...。
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| 映画のチケットがないから入り口の看板を撮ってきた |
映画「PERFECT DAYS」の感想
「おじさん」の数日分の1日ルーティーン映像を延々２時間観る
公衆トイレ掃除を生業としているおじさんが
朝起きて支度して車で出勤
仕事して公園で昼ごはん食べて
銭湯行って飲み屋で飲んで
帰って本読んで寝る
（&休日ルーティンバージョンもある）
毎日同じことを繰り返す中で
小さなイレギュラーがちょいちょい発生する。
伏線は回収しないし、
何も解決しないし、
その「おじさん」についての説明が一切ない。
テレビドラマなどを観る感覚で観ると
内容が無さすぎて２時間耐えられないと思う。
アート作品でも眺める気分でゆったり観るといい感じ。
映画というより「映像」。
監督はドイツ人
この映画で使われている言語は日本語なのだけど、
これが普通の邦画とは違うところは、
監督がドイツ人というところ。
外国人からしたら
この東京の景色や綺麗な公衆トイレが面白いんだろうな....
という視点。
これがどこかの南米の下町だったら
とても素敵な映像になるだろうな...
と日本生まれ日本育ちの私は逆にそう思う。
どこかの外国が舞台ならファンタジーとして観られるのだけど、
身近な東京の街が舞台になると妙なリアリティがあって、
でも、映像はなんかちょっとファンタジーで変な感じ。
なにもないところに面白みを見つける楽しさ
無駄のない部屋、
無駄のない動き。
部屋が小綺麗なので一見ミニマリストかな？
と思うのだけど、
大きめの本棚にビッシリ本が入ってたり、
納戸みたいなところにダンボールが積まれてたりするので
ミニマリストというわけではない感じ。
だけどシンプルライフだ。
古そうなアパートなので貧乏暮らしかと思いきや、
わりと余裕のある暮らしぶり。
家や自転車の鍵を閉めないとか、
家の構造も謎で外観と辻褄があわない感じがしたりとか、
違和感がちょいちょいあるところはわざとなのだろうか...。
こうして「映像」を観察していくうちに
面白みのようなものを感じるようになるのだけど、
何が面白いのかうまく説明できない。
カセットテープから流れる音楽
通勤用の車でカセットテープを流すというシーンが何度かあるのだけど
私はここで流れる音楽の背景を知らない。
古いバンドかなんかの曲なのかな。
この「音楽」がわかれば
もっとこの映画楽しめたんだろうな〜と思う。
だけどこの音楽が刺さる世代があるのだろう。
（７０代の家族にはブッ刺さったようだ）
最後はちょっと考えさせられるところもある
もしかしたら「おじさん」は
元バリバリのビジネスマンで、
ある日、全てを投げ出して
この生活を選んだのかもしれないけれど
（そのあたりの説明は一切ない）
毎日毎日同じことを繰り返して生きて死ぬ
変わらない日々を淡々とこなすだけの生活
平穏であることは幸福なことなのだけど
結局人って何故生きてるんだろな...
などと悶々と考えながら映画館を後にした。
この映画をお勧めできる人
・何も解決しないドキュメンタリーなどを延々観ていられる人
・ルーティン動画が好きな人
・説明的でない映像も楽しめる人
・伏線回収されなくても気持ち悪くならない人
こんな感じだろうか。
「面白い映画」「ワクワクする映画」「意味のある映画」
を求めて観るとちょっと期待を裏切られるかもしれない。
私はどちらかというとこういう「何も起きない系」が大好物だ。
解説を先に見てから本編を観るのもあり
家族に勧められた時は映画観るつもりなかったのだけど、
映画監督や役者のコメントや
映画感想のyoutubeなどを調べているうちに
この映画を観たくなって結局観たという感じで。
先にネタバレしてもらってから観るのも
この映画に関してはありだと思った。
美術館の音声ガイドみたいな解説が理解を助ける感じ...。
